2002-02-06

零れた月



きみがぼくにピースをくれて、
ぼくのピースが、きみにはまった。

ぼくらはそれぞれの軌道に乗り、少しづつ宙(そら)を移動していたのだ。
あの夜、二つの軌道はほどよく接近、
途端に特別な力で惹きあった。

きみのピースがぼくを映し、ぼくのピースが光を返す。
ルールも条件も約束もなく、二つの球(たま)は転げて弾む。
声なき言葉が会いたいと、発信すれば同じ基地へと飛んでいくのだ。

きみといる夜、
月は零れて、星は転がる。


2001.11.29