僥倖(ぎょうこう)を得て知ることができた者は、
天の采配の厳しさと優しさに気づくだろう。
気づかぬ者と気づく者のわずかな違いは、
独房の扉を閉ざす鍵と開け放つ鍵、どちらを使うかの選択にある。
僥倖を得て感謝を覚える者は、
独房に馴染み留まることをしないだろう。
留まる者と留まらぬ者の違いは、
天の采配の意図する流れに
ゆだねて立つか立たないかの選択にある。
あなたがあなたである為に
あなたを創りあげてきたものが、
その独房の扉を固く閉ざし、
己の念で頑なに縛り続ける姿を誰が望もうか。
私を恨むなら怨みたいだけ恨めばいい。
憎むなら憎みたいだけ、嫉妬があればしたいだけ、
あなたが望む分だけ私は傷を受けても癒してみせる。
あなたの恨み辛みをかいながら、
私はここまでわたしを取り戻し、
独房の扉を開ける鍵があることを知った。
愛することの豊かさを得た。
あなたの頑ななパワーを私はいくらでも受けて立つ。
独房だと悟らず、そこが全世界だと主張するならすればいい。
そこに苛まれる姿さえ、わたしは黙って見守るだろう。
あなたがそこにいただけで、私はこんなにも豊かになれたのです。
豊かさを知った私は、あなたの豊かさを願うのです。
たとえそれが誤解の産物だと言われても、
私のハートが力いっぱい主張できるのは、それだけだから。
頑ななエネルギーがあなたを消耗させ、
拳を握って倒れる前に、その手を緩めて開くことを祈るのです。
なぜなら、私に向けるパワーの源が、
天の采配に対する恨みと後悔の念であることを知るからです。
あなたが留まることを誰も望まない。
祈って願う者たちは、
あなたがあなたであるために創りだした独房が
早く壊れてしまえばよいのにと見守っているのです。