2005-04-10

宵っ張りの桜



― 水面の絢爛 ―

ゆさゆさと咲き誇る桜の花。
その姿を見たさに、枝先をゆらめく水面に向かわせる。
映しだされる花の絢爛。
水面の幻影は、雅な競演に咲きっぷりを増すのだろうか。


2001.04.09




夜中に桜の様子をうかがいに散歩に出た。
ライトアップされて賑わう桜より、闇の暗さに咲く桜が好きだ。
といっても、都心は街灯や車のライトも多く、朝まで組の花見客が所々で盛り上がっているので、寝静まった暗闇の桜というふうではないが。 それでも夜桜の、桜餅の香りを濃厚にした匂いは、深々とした冷たい空気を染め、呼吸をするたびに体に滲みこむ。

九段の夜桜で一番好きなのは、田安門の内側から緩く下る靖国通りを臨む景色。
見上げると桜が天井のように夜空を覆っている。
思わず手を伸ばしてジャンプするが、満開の枝は遠い。
田安門からの豪華な夜桜を撮りたかったが、光量不足でガサガサの写真になってしまった。
ここの景色は写真に収めるよりも、生桜の匂いに酔いながら堪能するのが最高なのだろう。